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gooブログから引っ越してきた、ガジェット好きのアマチュアサイクルフォトグラファー

第93回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース観戦記

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U23(132枚)

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WE(26枚)

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ME(233枚)

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今年も、全日本選手権の季節がやってきた。舞台は昨年に引き続き、伊豆のサイクルスポーツセンター(伊豆CSC)。6月の梅雨時期にもかかわらず、空は時折雲が流れる程度で、2日間とも容赦ない太陽が照りつけていた。

【1日目】U23・WEレースと、灼熱のヘアピンカーブ

6月21日(金)、朝5時に宇都宮を出発。関東から伊豆への移動は距離もあるが、何より朝の渋滞が読めない。幸い大きな混雑はなく、8時半頃には現地に到着。既にU23レースがスタートし、私が会場入りした時点で3周目に突入していた。

朝から暑い伊豆CSC

レース序盤にも関わらず、既にサバイバル戦が展開されていた。強い日差しと路面からの照り返しが、選手たちの脚を早々に削っているのがわかる。「これは1日を通して過酷な展開になる…。」と感じた瞬間だった。

それにしても、梅雨はどこへ行ったのだろう。昨年はしとしとと降る雨の中でカメラ機材を守るのに四苦八苦したが、今年は真逆の天候。選手だけでなく、観戦者の体力までも容赦なく奪っていくだろう。

私は毎年お気に入りの撮影ポイント、名物ヘアピンカーブへと向かった。驚いたことに、例年多くの観客が集まるこのポイントにほとんど人がいない。そりゃそうだ。ヘアピンカーブは日陰がほぼ存在しない上、足元には伸び放題の雑草が覆い茂っていたのだ。撮影環境としては正直、過酷そのものだった。

雑草に身を潜める

それでも、私はヘアピンカーブ唯一の木陰に身を潜め、MAVICカーの通過と同時に飛び出して撮影するというスタイルで粘った。構図を決める余裕などなく、タイミング勝負の撮影が続いた。

午後に入ると、女子エリート(WE)のレースがスタート。気温はさらに上昇し、地表付近は完全に“灼熱”と言っていいレベルに。頭がぼーっとし、所有する最後のドリンクも底をつく。

「これは無理をすべきではない」
そう判断し、予定していたKOM(山岳賞ポイント付近)への移動を断念。大事を取ってホテルに戻ることにした。

エアコンを効かせた部屋で横になり、水分と塩分を補給。2時間ほど静かに休んだだけで体調は回復し、夕方には御殿場のアウトレットまで買い物に出かけるほどになった。
やはり、早めの判断と対処が肝心である。

アウトレットショッピングは閉店直前が狙い目

【2日目】男子エリート決戦、KOMとヘアピンに賭けた一日

2日目は万全の体調でスタート。しっかり睡眠をとり、ホテルの朝食ビュッフェでエネルギーをチャージ。

しっかりとエネルギーチャージ!

だが、ゆったりしすぎたせいでマスターズのレースには間に合わず…。結果として、この日は男子エリート(ME)に集中する形となった。

2日目も暑くなりそうな予感しかない

スタートラインで出走を見届けたあと、比較的涼しいKOM付近へ移動。標高が少し高いためか、風が通りやすく、体感気温は若干低い。(選手目線でみれば、灼熱の下界から全力で登ってくるため、気温差など感じないのかもしれないが…。)選手の鋭い眼光と歯を食いしばる表情が、カメラ越しにも伝わってくる。

それから私はKOMで7周目まで粘り、その後はゆっくりと下りながら撮影ポイントを移動。最終的には再びヘアピンカーブへ。1日目と同様、観客の数はまばらだったが、その分集中して撮影に臨めた。

この日の勝負は、2リットルのドリンクでどこまで耐えられるかだった。500mlの冷凍ドリンク2本と冷蔵ドリンク2本をバッグに詰め、時間をかけて少しずつ消費。気温は昨日と同等かそれ以上に上がっていたが、給水のタイミングを見誤らなかったおかげで、残り2周までしっかり撮影を続けられた。

今年もありがとう伊豆CSC

【総括】炎天下で味わったロードレースの熱気、そしてITTへ

今年の全日本ロードは、天候にも過酷さにも恵まれ(?)、まさに真夏のような2日間だった。体力との相談をしながらの撮影ではあったが、それでもレースの緊張感や選手たちの気迫に何度も胸を打たれた。やはり全日本ロードは特別なレースだ。

撮影自体はあくまで趣味だが、こうして毎年現地に足を運び、ファインダー越しに選手たちの「今」を切り取ることが、少しずつ自分の中で特別な体験になってきているのを感じる。

そして今週末には、同じく全日本選手権シリーズの一つ、個人タイムトライアル(ITT)が開催される。ロードレースとはまた異なる、静かで張り詰めた緊張感と、選手一人ひとりの走りに集中できる魅力がある。

会場は自宅から近い渡良瀬遊水地。今回のように炎天下での激闘になるのか、それとも梅雨らしいコンディションになるのか…。楽しみである。