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宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース(292枚)
前日のチャレンジレース観戦で、会場までの距離感は既に体で覚えていた。多気山駐車場からスタート・フィニッシュ地点までは約3km、徒歩でおよそ30分。レースサイン開始の30分前に到着できるよう、少し早めの8時に駐車場に着いた。
気温15度。秋の澄んだ空気が心地よい。普通なら長袖にジャケットを羽織る気温だが、30分の登り基調の道のりを考えれば長袖一枚でちょうど良い。背中には望遠レンズとカメラボディ、そして折りたたみの椅子。もはやウォーキングではなくハイキング、いや、古賀志山を登るのだから軽い登山に近い。そんなことを考えているうちに、気づけば会場の喧騒が聞こえてきた。
スタート/フィニッシュ地点は、すでに多くの観客で埋め尽くされていた。前日のチャレンジ&オープンレースの穏やかな雰囲気とは一転、熱気が立ち込める。ロードバイクブームは一時期より落ち着いたといわれるが、このジャパンカップに関してはその影をまったく感じない。古くから通う観戦のベテランから、初めて森林公園に足を踏み入れた人まで、朝のうちから活気にあふれていた。
恒例の婦人会の100円コーヒーを手に取り(これが実に美味しい)、選手たちのレースサインとスタートインタビューを横目に見ながら、私は古賀志山方面へと向かった。今日の撮影ポイントは、例年通りKOM(山岳賞ポイント)から下り方向へ。つづら折りを中心に狙う構えだ。

レースはスタート直後からハイスピードでペースが刻まれた。

中盤、ようやく古賀志山の登りを使って逃げが形成された。

特に、優勝を果たした レニー・マルティネス(フランス/バーレーン・ヴィクトリアス)が何度かアタックを仕掛け、ついには独走態勢へと持ち込んだ。

古賀志山の木々の間から差し込む光が刻々と変化するため、露出はなかなか難しい。シャッタースピードを1/60、ISOを100に基本固定し、露出を自動調整しながら、被写体ブレに気をつけつつ、背景流しのバランスを意識し、スピード感あるヒルクライムを表現することを重視した。古賀志山の登りは平均斜度が高く、最大12%もあるが、選手たちの速度は想像以上に速い。観客が息をのむ間もなく、次々と通り過ぎていく。背中に響くギアの音、選手の息遣い、そして観客の歓声。そのすべてが秋の森に反響していた。

