
毎年シーズンオフに入ると開催している、
宇都宮東図書館のブリッツェン講演会。
テーマは毎年ブレず
「宇都宮ブリッツェンが目指すもの」
講演される選手の半生や、レースを振り返りつつ
最後にチームとして何を目指しているのかを語る。
2021年はアベタカ選手が登壇した。

2020年に続き、2021年も新型コロナの影響で
多くのレースが変更や中止となった。
さらに、アベタカ選手は怪我に苦しみ
副キャプテンの立場としても
非常に辛い一年だったのかもしれない。
(JCL山口でのアレもあったし)
だからこそ、この講演会で何を話すのか。
とても楽しみにしていたが、
少し不安な気持ちで聴講してきた。
以下、メモを頼りに箇条書きしていく。
会場には何故か緊張感が漂っていた。
時間になり、アベタカ選手と柿沼社長が入場すると、
それを察知したのか、
柿沼社長のフリはアベタカ選手のヒゲの話。
マスクの下にはどんなヒゲが隠れているのか、
そんなヒゲの話で講演は始まった。
アベタカ選手のヒゲは生えるのが早く、
今日は3週間目のコンディションだという。

ほぼ3週間で見慣れたアベタカ選手のヒゲになるのか。
ヒゲは当日の気分やレースの重要度によって
生やすか剃るか決めているとのこと。
ヒゲが空気抵抗になるから、ではなく
一種の御禊の儀のようなものなのだろうか。
(要するにツルツルの時は気合いが入っている証拠だ)
ブリッツェン歴9年目。
今も故郷は北海道。(赤井川村に実家がある)
元々クロスカントリー選手だったが
オランダの、風が強く平坦な環境の中で選手として成長。
脚質がルーラー(長い距離を黙々と一人で走る)に。
クロスカントリーの経験もあって下りが非常に速く、
鈴木真理選手から「その下りのスピードは、いつか死ぬぞ」
と言われたことがある。
頭に血が上ると扱いにくい選手で、
シマノ時代は監督の言うことを聞かずに走ってよく怒られていた。
2021年を振り返ると、ほとんど怪我に悩んだシーズンだった。
自転車に乗れない歯がゆさが辛かったが、
トレーナーの元、基礎体力をつけることで徐々に調子が戻ってきた。
JCL広島ステージから復帰。
エース増田が不在(オリンピック調整)と、
落車のトラブルで残念な結果に終わった。
JCL山口ステージのアレ。
レース前からコースが狭く、危険なレースになることが予想されていた。故砂川会長が当時危篤状態にあって、チームとしても絶対に優勝して会長へ勝利を届けたいという気持ちで挑んだ。序盤から積極的に前で展開。何があってもレースを諦めないと決めていた。(いつにも増して神経を尖らせていたのだろう。)周回遅れの集団に対する運営の手際の悪さと大量に選手を下ろしてしまったことへの怒りが収まらず、ボトル投げの行為に至った。
チームとしては123フィニッシュとなり嬉しい結果だったが、妻には電話で泣かれてしまった。選手としても父親としてもしてはいけない行為だと猛省。ボトルを投げても勝ちには繋がらない。
2020年以降、自分のフォーカスレースを個人TTからロードレースにシフトした。狙うは全日本ロード。エース増田選手も全日本を狙っているが、もし二人で抜け出したら、(たとえチームメイト、エース相手であっても全日本なので勝負することになるかもしれないので)フィニッシュラインまでの展開はどうするかを考えると、今からわくわくしている。
例年なら全日本は6月。開催場所はまだ発表されていないが、広島の中央森林公園 だったらチャンスはある(アベタカ選手の得意なコース)
宇都宮ブリッツェンが地域密着型チームとして、目指しているもの。
それは強さとか勝利が全てでは無く、
嬉しかったり、時に悔しかったりする感動を地元に伝えることだ。