ブログ運用のために、Codexで「AI編集部」を作りました。
と書くと、少し大げさに聞こえるかもしれません。
AI編集部といっても、AIが勝手に記事を作って、勝手に公開して、ブログが自動更新されていくような仕組みではありません。むしろ、そこは今回いちばん大切にしたところです。
このブログは、これまで通り私のブログです。
レースを観戦して感じたこと。写真を撮りながら考えたこと。カメラやガジェットを使ってみた記録。日々の生活の中で、少し引っかかったことや、試してみてよかったこと。
そういう、つれづれなる思いを書く場所であることは変わりません。
AIに任せたいのは、私の代わりに私の生活を書くことではなく、私がブログを続けやすくするための手助けです。
Codexにお願いしたこと
今回、Codexにはまず、このブログを運用するための基本方針を渡しました。
ブログの所有者は私、Toru HASHIMOTOであること。AI側の中心役は「編集長AI」とし、必要に応じて専門役割を持つサブAIエージェントを使うこと。最終的な公開判断は、必ず人間である私が行うこと。
そのうえで、AI編集部に守ってほしい方針を決めました。
- 著者本人の体験、視点、一人称の信頼性を守る。
- 既存ブログに自然になじむ、読みやすい日本語記事を作る。
- 事実、日付、製品情報、イベント情報を慎重に扱う。
- 写真の著作権や、選手の肖像権に関わる内容を軽く扱わない。
- 公開前には、人間が確認すべきことを整理する。
特に大事なのは、「著者本人の体験を捏造しない」ということです。
AIは文章をそれらしく整えることができます。けれど、現地で風を感じたり、シャッターを切ったり、帰り道に疲れながら考えたりしたのはAIではありません。そこをすり替えてしまうと、このブログのいちばん大事なところが失われてしまいます。
だから、AIには「私の代わりに体験する」のではなく、「私が体験したことを、読みやすく残す」ために働いてもらうことにしました。
AI編集部の役割分担
作業場の中では、AI編集部をいくつかの役割に分けました。
中心になるのは「編集長AI」です。
・編集長AI
依頼内容を読み取り、必要な作業を整理し、どの役割に何を任せるかを判断します。ぼんやりした思いつきを、記事企画や作業指示に変換する進行役です。
その下に、いくつかの専門役割があります。
・サイト調査エージェント
既存ブログの雰囲気や構成を見ます。どんなテーマが多いのか、どんな書き方が自然なのか、内部リンクとして使えそうな記事は何かを整理します。
・企画エージェント
記事案や連載案を考えます。季節の自転車イベント、気になっているガジェット、AIツールの更新、生活改善のメモなどを、記事にできる形へまとめます。
・リサーチエージェント
公開情報を確認します。イベントの日付、製品仕様、価格、ルール、技術情報など、時間とともに変わる情報は、できるだけ公式情報を優先して確認します。
・執筆エージェント
下書きを作ります。ただし、本人の体験やメモがないところを、勝手に一人称で書くことはしません。
・編集・校正エージェント
文章を整え、根拠のない主張やAIっぽい言い回しを見直します。
・SEO・配信エージェント
タイトル候補、タグ、メタディスクリプション、SNS投稿文案などを整理します。
・運用管理エージェント
下書きや記事案の状態を見えるようにします。
こう書くとずいぶん大がかりですが、実際には「記事を書く前後でやっている細かな確認作業に名前をつけた」という感覚に近いです。
Codexが独自に整理したこと
私が渡した方針をもとに、Codex側では作業場の構成も整理しました。
たとえば、docs/ には運用方針や文体ガイドを置きます。prompts/ には、企画、調査、執筆、編集、SEOのためのプロンプトを置きます。article-ideas/ には記事案を、drafts/ には下書きを置きます。
この構成によって、思いつきがそのまま流れて消えてしまうのではなく、
1. 記事案
2. 記事企画
3. リサーチ
4. 下書き
5. 編集
6. SEO・公開準備
7. 人間による承認
8. はてなブログで公開
9. 公開後レビュー
という流れで扱えるようになりました。
また、Codexはこのブログの特徴も整理しました。
ロードバイク、レース観戦、写真、カメラ、ガジェット、AIツール、生活改善。レース観戦記では、Amazon Photosへのリンクや撮影メモ、写真掲載に関する権利表記がよく出てくること。写真とカメラ、サイクルイベントが重要なカテゴリであること。
そして、2020年の脳梗塞と左片麻痺からの復活は、このブログ全体に関わる大切な人生文脈として扱うこと。
このあたりは、単に記事の形式をまねるためではなく、ブログの芯を見失わないためのメモです。
AIに任せないこと
AI編集部を作ったからこそ、逆に「AIに任せないこと」もはっきりさせました。
個人的な健康情報。本人の記憶や現地体験に依存するレース・イベント描写。選手写真や肖像権に関わる内容。アフィリエイトリンクや製品評価。スポンサー記事や有償レビュー。そして、記事を公開するかどうかの最終判断。
これらは、必ず私が確認します。
AIは便利ですが、責任を持つ主体ではありません。読者に対して、選手に対して、写真に写る人に対して、そして自分自身の記録に対して、最後に判断するのは私です。
ここは曖昧にしたくありません。
ブログを続けるための道具として
ブログを書くことは、楽しい反面、意外と細かな作業が多いものです。
記事の切り口を考える。情報を確認する。写真リンクを整理する。タイトルを決める。読み返して、言い過ぎているところや、説明が足りないところを直す。公開後にSNSへ投稿する。
そういう作業の一部をAIが支えてくれるなら、私はもう少し「書きたいこと」そのものに集中できるのではないかと思っています。
AIが記事を書く時代、という言い方はよく聞きます。
でも、少なくともこのブログでは、主役はAIではありません。
私が見たこと、感じたこと、考えたことを、これまで通り私の言葉で残していく。そのために、Codexを編集部のように使ってみる。
今回のテスト記事は、その最初の一歩です。
うまくいくところもあれば、たぶん、うまくいかないところも出てくるはずです。けれど、それも含めて試しながら、このブログらしいAIとの付き合い方を探っていこうと思います。