Bリーグ・チャンピオンシップ準決勝第1戦。
舞台は日環アリーナ栃木。
この試合は、今シーズンの集大成ともいえる緊張感に包まれていた。
今回も私はカメラを携え、この大一番を現地で観戦。応援と記録の両方に心を注いだ。
結果は84対67。ブレックスが見事に勝利を収め、ファイナル進出に王手をかけた。
その中心にいたのが、比江島慎選手と小川敦也選手の二人。彼らの躍動は、チームの勝利を導いただけでなく、会場全体に希望と熱狂をもたらした。
比江島選手は、前半こそエンジンが掛からず焦りが見えたものの、ハーフタイムできちんと調整し、後半だけで14得点。特に第3クォーターでの連続得点は、流れを完全にブレックスに引き寄せた。
ドリブルからの鋭いドライブ、体勢を崩されながらも沈めるジャンパー。
観客の声援に応えるパフォーマンスは、まさに”主役”の名にふさわしい。
一方、小川選手は控えながらもゲームメイクに光るプレーを見せ、9得点6アシスト。
彼の視野の広さと冷静な判断力が、オフェンスに安定感をもたらしていた。
特に第2クォーター、スティールからファストブレイクにつなげたプレー。
この試合でも屈指のハイライトといえるだろう。
写真を撮る立場としても、彼らの表情と動きは実に魅力的だった。
比江島選手が放った3Pシュートがネットを揺らす瞬間。
小川選手の敵を誘うドリブル。
…どれも一瞬の判断と集中が詰まった時間であり、その一コマを記録できたことは、私にとって何よりの喜びだ。
観客席の熱気も素晴らしい。
選手の一挙手一投足に大きな拍手と歓声。
ホームの栃木だけでなく、アウェーの千葉も少数ながら、まるで精鋭部隊のよう。
ファンは本当に温かく、試合の流れに応じて的確な応援を届ける。
しかも敵も味方も関係ない。スポーツ文化の成熟を感じさせるものだった。
また、会場の照明と音響も絶妙で、撮影環境としても申し分なし。
選手の表情までくっきりと記録できる照明は、自転車競技のトラックレースと全く異なり、スポーツ撮影における理想形の一つと言えるだろう。
この試合の勝利は、もちろん戦術や個々のスキルの結集によるもの。
だが、選手の覚悟や、ひとつひとつのプレーに込めた思いの強さが何よりの勝因だったと、私は感じた。
次戦も厳しい戦いが続く。
この勢いを保ちつつ、再び頂点へと駆け上がってくれることを信じている。
そして、私はまた機会があれば、シャッターを切り、彼らの「今」を記録し続けていきたい。
(前回に続き今回も観戦できたことが奇跡だ)